ブログにも詳細を記載しますが、これまでの経過を時系列で説明したいと思います。
発症:2009年7月
2009年7月に「微小変化型ネフローゼ症候群」と診断を受けました。うめきち17歳(高校3年生)の時です。
発見のきっかけは学校で実施された健康診断の尿検査で蛋白陽性となり、近医での再検査を経て基幹病院を受診したところ、「ネフローゼ症候群」と診断されました。この時の簡易尿検査では尿蛋白が+4と記憶しております。
ちなみに自覚症状はあまりなく、体育の授業で「少し体が火照って息切れするかな」というぐらいでした。脚の浮腫など、よくネフローゼ症候群で指摘される他の症状も全くない状況でした。
この後、病型の確定と治療開始のため即入院となり、翌日には腎生検が実施されました。
腎生検の結果で「微小変化型ネフローゼ症候群」と確定診断がなされ、治療開始です。
初めての入院で慣れない生活が続いたことに加え、「なんで自分が」という苛立ちや未来への不安に押しつぶされそうになり、精神的に不安定な時期を過ごしていました。
当時受験生でしたが、入院してしばらくは勉強に集中できない日々が続きました。
治療開始:2009年7月
薬物治療はプレドニゾロン(経口ステロイド剤)を中心に、数種類の薬剤を組み合わせ、尿蛋白値や血清クレアチニン値を見ながらプレドニゾロンを漸減していく治療方針です。
最初に処方された薬剤は以下の通りでした(錠数や服用回数、ジェネリック品かどうか等の詳細は記憶があいまいです)。
- プレドニン:40㎎(5㎎錠を朝に6錠、昼に2錠)
- オメプラゾン(プレドニンによる胃痛を和らげるため)
- ニューロタン(腎保護効果あり)
- ペルサンチン(尿蛋白減少効果)
- ボナロン(プレドニンによる骨粗鬆症防止のため)
- 抗菌薬(プレドニンによる感染症防止のため、一時的な服用)
なんとまあ多くの薬を飲まないといけない疾患ですこと…。
治療効果は毎日の血液検査と随時尿検査、そして24時間蓄尿検査で観察され、幸いにも治療への反応は良く、尿・血液検査とも1週間程度で正常値に戻り寛解状態となりました。
この頃に悩まされていたのが、プレドニンの副作用です。うめきちの場合、以下の副作用が目立ちました(というより自分が気にしていた?)。
- 腹痛:服用後2時間ぐらいベッドで悶えてました。この時間は勉強集中できない…
- 食欲増進:もうね、食っても食っても収まらんのですわ。食欲との闘いも大変。
- ムーンフェイス:比較的軽症だったと思いますが、それでもかなり顔面が膨張しました。
ただ、病院関係者の皆さんも優しく、入院生活は総じて快適でした。
退院後の生活:2009年8月~
約3週間の入院生活を終え、自宅に戻って通院での治療となり、1週間ぐらいで退院後最初の診察を受けました。尿蛋白陰性で血液検査も異常なく、プレドニンを30㎎に減らすことになりました。以降、月1の頻度で通院することになります。
夏休み明けからの学校生活で制限されたことは以下の通りです。
- 運動制限:体育の授業はすべて見学、通学も自転車からバスに切り替えました。
- 食事制限:主に塩分摂取量(6㎎/日)を指導されました。後は食べ過ぎ…。
日常生活を再開して不便だったことは、「トイレの回数が異常に多い」ことでした。これもプレドニンやその他薬剤の副作用ですが、1時間に1回は確実に、ジュースなどを飲んだ時には数十分で急転直下の尿意に襲われることもしばしばありました。
何回も授業中にトイレに行くの、恥ずかしかったなあ(笑)
そしてこの頃、「精神的な負担が大きい疾患である」ということを実感し始めます。
疾患それ自体による身体的な痛みや苦しみはほとんどありませんが、プレドニンの副作用によるムーンフェイスやトイレ回数増加について周囲の理解を得づらいこと、そして何より「いつ再発するかわからない」という不安が常に付きまとうことで、結構なストレスのかかる疾患です。
自宅の簡易尿検査で数値が陽性になった時なんかは、「再発したのかな?」という不安で何も手につかなくなりますよね…。
上記のような制限やストレスのかかる場面はありましたが、うめきちの場合は運良く、再発せずに高校生活を送ることができました。プレドニンは7㎎/日程度まで減量できていました。薬剤もボナロンや抗菌薬は中止することができていました。
最初の再発:2010年10月
大学生活を開始し半年ぐらい経った頃、最初の再発を経験することになります。
ある日、脚が異常に浮腫んでいることに気づきました。具体的には、いつも使っている靴に足が入らない状況でした。これはまずいかなと家で尿検査をしたところ、尿蛋白が+4となっていました。
再発の原因としてよく言われるのが、風邪をひいた、環境が変わってストレスを感じた、日焼けした等だと思いますが、今回は「新しいアルバイトを始めた」ことによる環境変化が身体に負担になったのかもしれません。
怖いもので忘れた頃にやってくるんですね…。ずっと良好な経過で周囲の友人と何ら変わらない生活を送っていたのが、一転してプレドニンを増量する苦悩や恐怖、再び寛解に至ることができるのかという不安に襲われることになります。
すぐに受診しプレドニンが40㎎に増量されました。今回は1週間経過しても尿蛋白が+2で陰性とならず、ブレディニンが追加されることになりました。
またプレドニンの副作用で尿糖も検出されるようになりました。
プレドニンの服用量が多い場合、一時的に高血糖状態になることは認識していましたが、これにより口渇状態が続き、飲水量が増える→トイレの回数が増える→再び口渇状態で飲水量が増える→トイレ回数増加(以下ループ)で、日常生活に難儀した記憶があります。
その後はすぐに尿蛋白陰性でプレドニンも7㎎程度まで減量することができましたが、再発時の大変さを改めて実感することになりました。
2度目の再発:2013年7月
2度目の再発はうめきちが21歳(大学4年生)の時です。
今回は原因として思い当たる節が本当に何もない中での再発でした。強いて言えば、ストレスフルだった就職活動も終了して一段落ついたことがきっかけだったのでしょうか。
再発の兆候は脚の浮腫ではなく、立ち眩みのようなものが感じられました。典型的には階段を上った時に息切れしてふらつくこと、その際に目に黒いモザイクがかかったような状態になりました。
自宅での尿検査で案の定、尿蛋白が+4になっており、「また来てしまったか」とショックで足取り重く受診した記憶があります。
せっかく上手くいっていたのに、一気に突き落とされるあの感覚は辛いものがありますよね…。また最初からやり直しかと。
当時受診していた先生からも、「再発を繰り返すと、プレドニンが効きづらくなってくる可能性がある」ということを教えていただいていたので、今回も寛解に至ることができるのか不安に苛まれることになりました。
結論としては、2週間後の次の受診の際に尿蛋白陰性となっていたので、一安心でしたが、注意してても再発する時はしてしまう、この病気の怖い部分を再確認することになりました。
3度目の再発:2015年10月
3度目の再発はうめきちが23歳(社会人2年目)の時です。
これもまた再発のきっかけとなるだろう原因が思い当たらないのです。
入社して1年半が経過して仕事にも慣れてきたころだったのですが、ある日自宅で尿検査をした際に尿蛋白が+4になっていました。
原因は本当にわからなかったです。ストレスがかかるであろう入社直後や上京して一人暮らしを始めてから時間は経っていましたし、仕事もむしろ上手く行き始めた所でした。
風邪もこじらせていないし、日焼けもしていない…。知らず知らずのうちに仕事でストレスが蓄積していたのでしょうか。
再びプレドニン40㎎からやり直し。当時外回りの営業をしていたのですが、客先でトイレを我慢することに必死で、碌に営業もせず「今日はこれで帰りますんで!」と、顧客からは不思議な営業マンに見えていたと思います(笑)
この時は仕事に救われた気がします。常に時間に追われて仕事に打ち込んでいたので、余計な心配をする時間もなく、メンタル的に参るということはありませんでした(再発の原因も仕事のストレスによるものかもしれませんが…)。
経過も順調で今回もプレドニン増量が奏功し、尿蛋白はすぐに陰性となり徐々に減量して再発もありませんでした。
2020年12月~2021年8月
3度目の再発以降、幸運にも再発は経験していません。
服用していた薬剤は以下の通りです。ブレディニンやARBも断つことができております。
- プレドニン:3㎎隔日投与
- ランソプラゾール
現在診てもらっている先生からも、「若い頃に発症し、年齢を重ねるにつれて落ち着いてくるケースは多い」とコメントいただいております。
このまま寛解状態が続いて、近い将来にプレドニンを断つことができればと思います。
目指すは「ステロイドなしの完全寛解」ですね!
現在
その後も再発なく過ごしておりました。
すると担当の先生から、「ステロイドやめてみますか?」とご提案いただきました。
コントロールを失うのではないかという不安もありましたが、ステロイド休薬はずっと前からの希望でした。
そしてステロイド休薬にチャレンジしてみることに。
幸いにも、現在に至るまで再発の兆候はありません。
これからも再発なく健康に過ごせたらいいなと思っております。