こんにちは!
前回、前々回と「ネフローゼ症候群への向き合い方」について、考えました。
今回もそのつながりで精神的な部分について考えていきたいと思います。
ネフローゼ症候群は難しい疾患であり、また長期戦が強いられる疾患であります。
長い付き合いの中で、落ち込んでしまったり、焦りや恐怖感にかられることもあろうかと思います。
私自身も基本的にはポジティブな性格をしていると思っていますが、それでも12年もこの疾患と付き合っていると、どうしても辛くなったり、悩んだりすること、不安で仕方なくなってしまうことがしばしばありました。
その時、どのように考えるべきか、あるいは対処すべきか、私自身の経験を踏まえて自分なりに「こうした方がいいのではないか」、「こういう風に考えた方が楽ではないか」というアイデアが生まれました。
その内容を共有いたしますので、参考になればいいなと思います。
「ネフローゼ症候群への向き合い方」については、下の過去記事も併せてお読みください↓↓
ネフローゼ症候群と闘病中のマインドセット:どのようにネフローゼ症候群と向き合うか?(前編)
ネフローゼ症候群と闘病中のマインドセット:どのようにネフローゼ症候群と向き合うか?(後編)
闘病中、落ち込んだ時に取るべき基本的な姿勢
私がネフローゼ症候群を発症したのは、17歳(高校3年生)の時で、この病気とはかれこれ12年の付き合いになります。
12年の間に何回か再発してどうしても辛くなったり、未来を悲観してしまうこともありました。
また不安で勉強や仕事含めて、何も手につかなくなってしまうこともありました。
そういうことが重なって、さらにネガティブになって負のループに陥ってしまうという図式ですね。
そうすると、「このままではいけない」と自分を奮い立たせて、何とかポジティブな気持ちに変えていこうとします。
しかし、自分の気持ちとは裏腹にネフローゼ症候群の症状が悪くなったり、思うように改善しなかったりして、余計に落ち込んでしまうという経験もありました。
そういう経験を踏まえて、「つらい時は無理にポジティブ思考に持って行かなくてもいいんじゃない?」という結論に至りました。
「元気になるためには前向きにならなくては」とか、「ポジティブでいないと症状が良くならない」とか、つらい状況なのに自分に無理強いすると、それだけで疲れてしまって逆効果になるような気がします。
ストレスはネフローゼ症候群にとって大敵ですが、「前向きにならなくては」という強制が自分への大きなストレスになるようなイメージです。
ですので、無理に前向きになろうとはしなくても良いと思っていて、「落ち込んでいるけど、症状が悪化しているから仕方ないよ」と自分を許してあげることが必要かと思います。
本当に辛い時は、辛いとか不安だという自分の気持ちを認めてあげて、まずは「今のままでも十分頑張っているよ」と自分自身を諭してあげることが、基本的な姿勢として大切な点かなと個人的には思っています。
具体的な考え方や対処方法
基本的にはまず「今のままでも十分頑張っているよ」と自分自身を認めてあげることが重要であるというお話をしました。
ただそうはいっても、どうしても辛くて少しでも楽になりたい時や、「まず目の前のこの辛さを何とかしたい」という時があると思います。
そのような状況において、応急処置的にであっても、少しでも気持ちが楽になる考え方や対処方法について、自分が実践しているものを共有したいと思います。
家族や友人に相談する
信頼できて理解のある家族や友人に、まずは相談するということですね。
「持病が再発して本当に辛いから、少し話を聴いてくれない?」といったような感じで、今自分がどんな状況で、何に対して辛い・不安だ・苦しいと思っているのかを聴いてもらうようにします。
闘病で辛いといったことに関わらず、様々なことで辛い状況に陥った時に、まずは勧められるありきたりな方法ではあると思います。
本当にありきたりですが、ありきたりだからこそ万人にとって効果のある方法だと私は思っています。
言葉はまとまっていなくても、優しい相手であれば受け止めてくれると思います。
そこでは具体的な改善策がでなくても、話を聴いてもらうだけで気持ちが楽になったりします。
もちろん、状況を理解してくれるとか、秘密を守ってくれるとか、信頼できる相手を選ぶ必要はありますね。
ただ、そういった相手が身近にいれば、自分が本当に辛い時ぐらいは頼っていいのではないでしょうか。
その代わり、お世話になった相手が辛そうにしていたら、今度は自分が話を聴いてあげたり、何か別のことで力になったりすることが大事かなと思います。
色々と辛いことが降りかかってくる現実世界ではありますが、持ちつ持たれつで生きていければなと考えています。
他の人の闘病記・体験記を読む
これもすごく救われたなと感じる方法のひとつです。
同じ病気でなくてもいいのですが、病気で闘病されている方の闘病記や体験記を見ていると、その人たちも同じように辛い、不安、苦しいという思いをされているということを実感します。
そこでまず、「自分だけが苦しい思いをしている」という、自分だけが取り残されたような感覚は和らぐかなと思います。
また同じように不安を感じながらも、何とか切り抜けたり、症状が改善していったという話を聞くと、自分もそのように事態が好転するかもしれないと、励まされたりします。
とにかく、自分だけがこういう苦しい思いをしていたり、不安を抱えているわけではないと気づくと、気持ちがすごく楽になっていきます。
「にほんブログ村」では、「病気」というカテゴリーで多くの方が様々な疾患での闘病記を記しております。
私も参考にさせていただいております。
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落ち込んでいるときや不安になっている時に、やってはいけないと思うのが、「インターネットで病気の科学的な側面を調べる」ということかなと思っています。
インターネットで病気のことを調べると、無慈悲なまでに様々な情報を入手することができてしまいます。
そこには権威ある論文の裏付けのもと、「どれくらいの確率で寛解にいたるのか」といったことや、「どういう症状に苦しむことになるのか」、「予後はどのようになっているのか」等の情報がデータをもとに淡々と示されています。
そこには、自分にとって不都合な事実が剥き出しで書かれていたりします。
精神的に安定している時にはちゃんとした裏付けのもと、正確な知識を獲得して治療に取り組むということは重要だと思います。
ただ、落ち込んでいたり、不安に駆られている時に、こういった情報はショックが大きいと思います。
あまりにもダメージが大きいものとなります。
自分が今、辛いかもと感じている時には、最低限治療で必要なものを除いて、必要以上に科学的な側面には無理に触れなくて良いと思います。
どうしても気になってしまう気持ちもわかりますが、その情報を知ってしまったところで、自分の病状が好転するわけではありませんので…。
自分が比較的元気な時に疾患の勉強をするようにして、辛い・苦しい・不安な時にはなるべく自分の気持ちが楽になるような方向を向いていきましょう。
ハンディキャップを抱えながらも何かを達成した偉人の逸話を読む
歴史上の偉人の逸話なんかをまとめたWebページは検索すると色々と出てきます。
その中でも、特に印象に残っているのが、画家の「ルノワール」の話です。
彼は関節リウマチを患い、手の激しい痛みや思うように動かせない状況にあっても、手に筆を縛り付けてまで絵を描き続けたそうです。
名画を生み出し続けたという点はもちろん素晴らしいことですが、私が感銘を受けたことは、関節リウマチと宣告され手が動かなくなるとわかっていても、絵を描くことと向き合い続けたその精神力でした。
今でこそいくつかの治療選択肢や有効な薬剤のある関節リウマチですが、当時はそれらが全くない疾患で、かかってしまえば絶望的な病気でありました。
そんな中にあっても、彼は「絵を描くこと」を諦めず、向き合い続けたということに感動し、「自分ももう少し頑張ってみよう」と自然と前向きになれた経験がありました。
こういった方法もありかなと思っています。
まとめ
ネフローゼ症候群に限らず、闘病中に「本当に辛くて苦しい」「不安に押しつぶされそう」という気持ちになった方は多いのではないかと思います。
中々病状そのものを好転させることは難しいかもしれませんが、少なくともこういった辛く苦しい感情や不安は和らげる方法があるのではないでしょうか。
個人的な経験ではありましたが、何かのお力になれれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。
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