こんにちは!
前回からネフローゼ症候群とどのように向き合うか、その考え方=マインドセットについて考えてきました。
今回はその後編になります。
前編は下の記事になります。併せてお読みください↓↓
「ネフローゼ症候群と闘病中のマインドセット:どのようにネフローゼ症候群と向き合うか(前編)」
以前の考え方
前編をお読みいただければと思いますが、それまでは、再発を恐れて「できるだけ何もしない」という生活スタイルでした。
ネフローゼ症候群はとにかく再発が怖い疾患です。
しかも何がトリガーになるかイマイチわかりづらく、線引きが難しいものです。
普通に生活していたとしても、何の前触れもなく再発したりします。
また再発するとステロイドの量が再び増えて、数々の副作用に悩まされることになります。
加えて、次もすぐに寛解となるかわからない、次寛解に至るにはステロイドの量をさらに増やしたり、別の薬剤を追加しなければならなくなるかも…という恐ろしさもあります。
そのような恐怖感がつきまとう疾患ですので、どうしても日々の生活に消極的になってしまいます。
「これをやってみたいけど、再発するかもしれないし…」
「再発が怖いから、できるだけチャレンジは控えよう…」
以前の私は、こういった考え方になっていました。
「チャレンジしたいこと」を見送った経験
17歳(高校3年生)の時にネフローゼ症候群を発症して以来、上記のような考え方のもと、「できるだけ何もしない」という生活をしていました。
大学に入学してからも、しばらくはそんな感じでしたね。
もちろん、大学生の本分である勉強は真面目にしっかり取り組み、生活に必要なお金を稼ぐためにアルバイトもしておりました。
ただ、それ以外に「チャレンジしてみたかったこと」をいくつか見送った記憶があります。
例えば、「運動」です。
友人からバスケットボールのクラブ参加に誘ってもらっていたのですが、バスケットボールは激しい競技であります。
高校3年生の時にネフローゼ症候群を発症してから、体育の授業参加を禁止されていたこともあり、大学生になってから運動して良いとかかりつけの先生から言われていたものの、ためらって断っていました。
また、「海外生活」もその一つです。
大学の構内で定期的に、「留学」や「海外ボランティア活動」の募集がありました。
しかし、これらも海外での生活環境の変化で再発の可能性があることや、活動費の補助は学校から出ても、医療費の補助が出ず高額な自己負担になったりすることがわかり、断念することになりました。
上記以外にも色々と「何か新しいことにチャレンジする」機会があったのですが、してみたいとは思いつつも、再発の恐怖感がちらついて、実行に移せなかった記憶があります。
もちろん、金銭的や時間的な制約の部分からもできないことはあったのですが、この病気を考えての結果が一番多かった気がします。
大学の時間のある時に、色々経験しておけばよかったなと今でも思います。
考え方の変化
大学生の2、3年生ぐらいだったと思います。
やっぱり色々と経験をしている大学生の友人らを見ていると、羨ましくなってくるんですよね。
上記のように「チャレンジしたいこと」を見送って、寂しい想いをする中で、ふと気づいたことがありました。
「何のために生きているんだろう」
少しスケールの大きい話になりましたが、つまり「再発を恐れて何もしない生活をしていった先に何があるのだろう。そういう人生を送って後でいい人生だったと言えるのだろうか。」と悩んだという話です。
ネフローゼ症候群になってしまったことは仕方がありませんし、再発に十分に注意して配慮のある生活を送ることは大前提だと思います。
尿蛋白が出ている時は絶対安静にすべきだと思いますし、大きく負担になることが明白であるものは避けるべきだと思います。
ただ、別に医者にダメと言われているわけではないのに、自分で「怖いから」と決めつけて、チャレンジしたいことを諦める必要もないのではないか、と考えるようになりました。
また、それはネフローゼ症候群を言い訳にして、「チャレンジしない」言い訳にしていないかと思うようになりました。
そう考えると、何かチャレンジしてみたいなと思うことがあったとして、「ネフローゼ症候群だからといって本当にできないのか」ということを考えるようになりました。
このあたりが、自分のマインドセットの転換点になったような気がします。
向き合い方の転換
上記で示したような考え方の変化があってからというもの、「ネフローゼ症候群だから、これはできない」ではなくて、「ネフローゼ症候群だけど、こんなこともできるかも」と考えるようになりました。
何かチャレンジしてみたいことが心に浮かんだら、それまで「これは無理だ」と思考停止して諦めていたものを、「では、どうやったらできるか」ということを考えるようになったということです。
例えば運動であったら、どういう種類の運動であれば体への負荷が少ないのか、といったことを考えたり、具体的に「こういうスポーツをしてみたいが、大丈夫か」と医師に相談してみるなど、できる内容を見つけていくという姿勢になりました。
また、段階を踏んで=Step by Stepで進むという考えかたも持つようになりました。
海外生活を例に取ると、いきなり1年の長期滞在は無理でも、負担の少ない短期滞在から始めてみるといった具合です。
そうすれば、「ネフローゼ症候群だけど、ここまではできたから、次はこのレベルにチャレンジしてみよう」と、少しずつでもチャレンジできることが増えるという方法です。
実際に大学4年生の時には、ヨーロッパへ2週間の一人旅に行きました。
もちろん、ネフローゼ症候群であることは忘れずにしっかり準備をしました。医療機関にかかることになった際に説明するために、手持ちの医薬品情報を英語にしたり、片言でも自分の病気のことを英語で話せるようにしました。
そういった手間は必要になりますが、すごく楽しかったですし、再発も全くありませんでした。
期間は短かったですが、ネフローゼ症候群の自分が一人でも海外生活をできたということが、非常に自信につながりました。
念願のロンドン・ビックベンを撮影しました!
考え方が変化し、それが行動につながっていきました。
無茶をすることは厳禁ですが、無意味に諦めるということは今後もしたくないと思います。
まとめ
私自身の個人的な見解でしたが、ネフローゼ症候群に向き合うマインドセットについて考えてみました。
確かに何かチャレンジしたいことがあったとしても、再発のリスクがありますし、特別な準備の手間がかかったりすることはあります。
また再発しないよう十分に注意することは大前提です。
ただ、かといって自分がやってみたいと思うことを、すぐに諦めたりする必要はないのではないかと思います。
色々と制約のある疾患ではありますが、これからも後悔しない人生を送りたいなと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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